「にたきこま」と言う、ちょっと特殊なトマトを栽培します。
これはトマトソースやピューレ用の調理用トマトで、完全放任で支柱も使わずに育ち、大量収穫できます。
苗作りから始めて育成・収穫までをご紹介します。
特徴
このトマトは調理専用の国内F1品種。
水分が‘桃太郎‘の半分程度と少ないので、煮込み料理などに使うと他の材料の味を薄めにくく、料理に使いやすいのが大きな特徴です。
- トマトソースを作ったときに粘度が‘桃太郎’の3倍ほどと高いので、パスタ料理では麺によくからむ。
- 桃太郎や調理用の‘なつのこま’のトマトソースと比較して色が明るく、酸度が高いため濃厚な味となる。
- このトマトを各種調理に用いた場合の官能評価では、特にトマトソースの評価が高い。
- 加熱調理用に栽培されている主要品種‘なつのこま’より4割程度多収である。
フランスの調理用トマトとの交配F1種です。
苗作り
その他の野菜の栽培方法はこちらです 野菜一覧表
このトマトは煮込み系の料理で食べる専用の品種です。
水分が少ないのでパスタのソースやトマトピューレとして使いますが、生のままをカレーに入れても味が薄まらず美味しいものです。
また瓶詰めにして常温保存することができるので、料理の材料としてお使いください。
これは料理で使う専用のトマトなんだ。
水分が少なくて甘くないから色んな料理に合うよ。
生でも食べられるんでござるか?
生じゃおいしくない。
でも甘さが少ないからさ、やすべぇの好きなカレーが美味しくなるぞ。
奥にも教えてやってもらいたいでござる。
発根・発芽の時間確認
苗を作る場合は、発根・発芽の様子や時間などを確認しておきます。
苗作りを始める前に、皿に種を蒔いて様子を見ることで、培養土の中の種の様子を知ることができます。
3/15
皿蒔き。
お皿にティッシュを敷いてから種を置き、上側を覆う。
酸素が入るように水を少な目にするのがコツです。
昼夜30℃を維持。
ついでに他の種も事件中。
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70時間で発根。
一般的に発芽は発根より24時間ほど遅れる。
一粒だけ発根してます。
プラグトレイでの苗作り
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こちらはプラグトレイに播種した種の様子。
播種から4日目で発芽しました。
4/2
発芽後は水分を徹底的に減らすとともに、夜間の温度を上げないようにすることで、ヒョロ苗になることを防ぎます。
鉢上げ
4/18
発芽から3週間経過。
太くて短い苗に育ちました。
大きめのポットに鉢上げします。
トマトは乾燥状態で育てたいのでプライムミックスを使用。
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定植
5/17
種蒔きから2ヶ月経過。
一番花が咲き始めたので定植します。
色々な品種のトマトを作ってますが、どのトマトよりも成長が早く立派な苗になります。
扱いやすく作りやすい品種です。
トマトの最適pHは6.5~7。
割とアルカリ側なので苦土石灰は多めに施用してください。
一番花が咲いたら定植の適期。
とても大きい苗に育ちます。
根の量も多い。
定植(13本)。
支柱を使わずに放任状態で育てるので、畝の左右を広目に空けておきます。
なお熟した実が地面に着くと傷むので、熟し始めたら草マルチや藁などを敷く必要があります。
面倒であれば定植前にビニールマルチを張ってください。
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播種から3ヶ月経過。
芽欠き無しの完全放任状態で育てます(ジャングル状態で無数の花が咲く)。
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収穫
8/9
他のトマトよりも早めに収穫が始まります。
‘にたきこま’の収穫量はかなり多く、しかもアイコや桃太郎よりずっと早く熟します。
一斉には熟さないので、熟したものから少しずつ収穫する必要があります。
なお完全に熟すまでおかずに、一日ぐらい早めに収穫して追熟して使う方が良いでしょう。
料理に使うためトマトを湯剥きしています。
濃い味で水分が少なくオリーブオイルと良く合います。
8/21
‘にたきこま’の収穫が終わりに近付きました。
アイコや桃太郎はまだまだこれから収穫が続きます。
この品種は「早期大量収穫」が特徴です。
総括
手間なし簡単で豊作なトマトだよ。
南欧系の料理を良くするならお薦めなのだ。
作りやすい品種です。
苗作りが簡単で成長も早い。
苗の出来が良いので、その後の成長も至って順調。
定植した後もなにも手をかけなくても勝手に育って実を付けます。追肥も不要。
しかも熟すのが早い。
味は煮込み系に使う専用の味で、水分が少なく濃い味。
水分が少ないので調理しやすく、トマトペーストやピューレが作りやすい。
パエリアやカレーなど、甘くしたくない料理にも向いてます。
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