株主優待を取ることだけが目的ならクロスするのが当たり前。
クロスすれば株価の変動リスクをゼロにして優待を取得できます(買いと売りを同時に建てる)。
配当をとる場合はクロスしません。
一般信用の貸株在庫が多く、また貸株料の安い日興證券でのクロス方法をご紹介します(SBI証券よりお得です)。
※え~っと、この記事のせいで損しても文句言わないでくださいね(^^;
どうしてクロスするの?
だってさ、株を持ってる間に下げたら損しちゃうじゃん。
だから同じ値段で信用売りを建てて相殺させるんだ。
なかなか面倒くさそうで御座る。
何度かやれば直ぐに慣れちゃうよ。
買と売を足して50万以下なら松井証券を無料で使える。
松井ならボタン一発さ。
一般信用売りを使う
一日の売買代金が50万円を越える銘柄の場合は、SMBC日興證券を使います。
50万円以下でも松井でクロスできない場合が多々あります。
この会社は、一般信用売りの貸株料が年利1.4%と安い。公式
SBIや楽天は、皆が欲しがる優待銘柄の貸株料は3.9%と日興證券の3倍近く高い。
それでもSBIは貸株在庫が多いから,日興の在庫が無いときには使えます。
日興證券:貸株料が安い。それなりに売り在庫もある。
SBI:貸株料が高い。そのかわり売り在庫は多い。
楽天・松井:これらの証券会社に在庫が残っている場合もあります。
と言う事で、先ず一番経費の安い日興證券で早めにクロスし、在庫が無い銘柄だけやむおえずSBIで。
権利付最終日になっても在庫が無い場合は、優待取りを諦める、または制度信用で売ります。
日興は「信用取引の手数料が無料」です。公式リンク
でも「株主優待には現物株が必要じゃん」
信用で買って現引きしてください・・・現引きも無料。
寄成で信用買と信用売を建て、寄りついたら信用買を現引きする。
これで一日分の買い金利(年利3.0%)で現物株を入手できます。
つまり「100万円分の現物株を手数料82円で買える」と言うことになります。
これに例えば10日分の貸株料を足しても、100万円をクロスして466円。諸経費の詳細
クロスするときの売りとしては「一般信用」を使いたいと思いますが(制度信用だと品貸料の発生の可能性あり)、日興證券は、一般信用の売り在庫が意外と多いのもうれしい。
在庫が無い場合は、SBIや楽天や松井など、他の経費の高い証券会社の在庫を調べてください。
※もし制度信用を使うなら品貸料を調べます。詳しくはこちら
売り在庫が少ない場合
権利日が近付くと貸株の在庫が減ってくるので、在庫が有るうちにクロスを立ててください。
なお在庫は時間帯によっても変化するので、時間をおいてときどき調べてみてください(場中に在庫が復活することもある)。
在庫が少なくてもどうしてもクロスしたい場合。
日興は、前日の17:05以降なら翌日分の注文を出せます。日興の取引時間 こちらも
つまり発注前日の16:50頃に在庫数を調べ、在庫が有ったら17:05ジャストに発注する。 17時の争奪戦
クロス時の諸経費
- 日興證券は信用売買(現引き・現渡しも)の手数料は無料です。信用取引の公式記事
- 一般信用の年間金利は買3.0%、売の貸株料は1.4%。公式記事
- 10日前に100万円をクロスすると、当日までの経費は466円。
買い金利は82円 → (100万円×3%)÷365日=82.19円×1日=82.19円
売り貸株料は384円 → (100万円×1.4%)÷365日=38.36円×10日=383.56円
合計466円 → 82.29+383.56=465.7円
<名義書換料55円について>
現物株であれば発生しないので、優待狙いのクロスでは気にする必要はありません。
「信用買い」の建玉を権利確定日をはさんで持っていると、名義書換料55円が発生します。名義書換料とは
クロス取引の手順
クロス売買は、権利付最終日より一週間ほど前に行います。
ギリギリになると売り在庫(貸株)が無くなる場合があります。
発注時間は、当日の8:05~8:50の間だけ。
前日の17:05以降になれば、翌日分の発注をすることも出来ます(発注時の期間は”当日”とする)。
間違えたときに取り消せるよう、早めの時間に発注します。
前場に間に合わないときは、後場の受付時間(11:35~12:20)に発注します。
以下の手順でクロスします。
- 朝8時頃から、一般信用の在庫数を確認します。
前場の寄成受付は8:05からなので、その前に確認しておきます。こちら - 8:05になるのを待ちます。
どうしても在庫が無い場合は、前日の17:05に発注する手も使えます。こちら - 最初に一般信用の「売」を寄成で発注。こちら
「売」は無くなる可能性があるので先に発注。 - 一般信用の「買」を寄成で発注。こちら
- 発注したら「信用注文約定一覧」で確認。こちら
- 約定を待つ。
- 「信用建玉一覧」で4.の「買」を現引きする。こちら
- 「残高の確認」で現物株の入手を確認します。こちら
これで現物株と信用売りのクロスが出来ました。
以上でクロス立て当日の取引は終わりです。
後は権利落ち日に3.を現渡しで決済して手仕舞いします。
→ 「信用建玉一覧」で3.の「売」を現渡しする。こちら
ご注意
- 「一般信用の売」は早めに在庫切れすることがあるので、数日前に立てます。
どうしても欲しい時は、SBI証券か松井証券の「優待クロス」を使います(少し余分に経費がかかる)。 - 前場の寄成に手出しできなかったときは、後場の寄成を利用します。
- 寄り前に発注して、確実にクロスしたことを確認して下さい。
- なにか間違えたら即座に手仕舞いしてください。
一般信用売りの在庫が無い場合
在庫が無い場合は、権利付最終日に制度信用で売る手もあります。
ただし逆日歩が発生するので十分に注意してください。逆日歩について
権利付最終日の翌営業日には手仕舞いしますが、もし土日祝日を挟む場合は要注意。
逆日歩は営業日以外もかかるので、結構高くなる場合があります。
細かいことを気にするのも面倒なので、日興で早めに一般信用でクロスするのが吉。
品貸料(逆日歩)について
一般信用ではなく制度信用で売りを立てるときの注意点は、品貸料の発生です。
こちらのサイトで調べられます。
品貸料は当日には分からないので、あくまで「大体この位」という金額になります。予報値
この例では9/12の①品貸料率は0.05円/株、②最大で2.4円/株となってます。
100株であれば5円/日(0.05円×100株)、最大は240円/日(2.4×100株)となります。
なお休日を挟むと③品貸日数が増えますが、その場合は④料率を日数で割ることで、一日当たりの料率が分かります。この例では0.05円/株(0.2÷4=0.05)です。
日数にも注意して下さい。
例えば、①水曜日に空売りした場合、受け渡し日は2日後の②金曜日になります(2営業日後)。
仮に翌日の③木曜日に買戻しをしたとしても、2日後は④土曜日なので実際に買戻されるのは⑤月曜日です。
結局、株を借りている期間は3日となるわけです。
年末年始やゴールデンウイークのような長期休暇が近い時は、くれぐれも注意してください。
50万円以下は松井証券も
松井証券では、一日の売買金額が50万円以下なら手数料がゼロ(ボックスレートと呼んでいるようです)。
つまりクロス金額(売り買い合計)が50万円以下なら手数料無料。
しかも専用のクロスボタンがあり、やたら使いやすい(なんと場中でもクロス可能)。
貸株料も2%だし、クロス合計が50万円以下なら松井で決まりでしょう。公式外部リンク
ただし扱ってる銘柄がとても少ないのが残念です。
松井証券にログインしたら、このボタンをクリックする。
ところでイオンの優待クロスは、微妙に50万を越えます・・・おしい! イオンの優待詳細
イオンの優待はこれまた面白い。
イオンで買った品物の3%(最低の100株の場合)をキャッシュバックします。それも「現金」で戻ってきます。
奥様がイオンで買い物をすると、買った金額の3%をイオンが現金で支払います・・・つまり奥様のヘソクリになる。
年間に100万買えば3万円が現金で戻る ← 使い難いポイントではなく「現金が戻る」ところがニクイ!
岡田元也、奥様方の心を掴んでます(^^;
SBI証券について
SBIは、銘柄によって貸株料が異なります。
皆が欲しがるような優待銘柄の売りでは、貸株料を3.9%と高くしてる・・・さすが商売人。
SBIのアクティブ・プランは、現物・信用とも手数料無料です。こちら
買いの年間金利は2.8%(日興3.0 松井4.1)と安いが、売りの貸株料が特殊で1.1か3.9%(日興1.4 松井2.0)。
貸株料は、銘柄によって異なります。銘柄毎の経費表
例えば皆が欲しがるイオンは高い方の3.9%(日興の二倍以上)。
手頃にバランス良く安いのは、やはり日興證券のようです。
信用で長期保有するのは慣れた方でしょうから、ご自分で都合の良い証券会社をお選びください。
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