一人社長「税理士いらず」を使う|初めての使い方

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このソフト一本で「会計処理」と「法人税の確定申告」が可能です。
税理士に頼んだものと同一の申告書を出力できます。
少し手順があるので詳しくご紹介します。
理士いらず・・・しかし良いネーミングだ(^^;

会計ソフトと税務書類の出力ソフトは別物です。
会計ソフトは会計処理に特化したソフトであり、確定申告書は出力できません。
「税理士いらず」は、会計処理と確定申告書が出力可能な珍しいソフトで、一人社長には大助かり。他の会計ソフトとの違い(本家サイト)

興味があるところを読む

一人社長なら十分

このソフトは大会社には向いてません(こちらにこのソフトの対象法人の説明があります)。
でも私のような一人社長の会社なら十分です。
自分の会社で使えるかどうか、必ず無料体験版で試してください(試用期間は一ヶ月)。

私の会社は、ソフトウエア作成がメインなので・・・
役員が二人(従業員はゼロ)、売掛・買掛・在庫なし、消費税の免税事業者、万年赤字。
なのでこの記事には、消費税、所得税、従業員、棚卸などに関する説明はありません。
なお赤字会社なので繰越欠損(別表7)があります。

使い方の流れ

先に言っておきますが、会計処理の入力部分はボチボチです。
弥生やJDLを使い慣れてると「ちょい使い難い」となるはず。
入力に困ることは無いんですが、細かい部分の気遣いが無いんでじれったい。
んま、値段相応って事で(新規購入時16,500円、更新料6,500円)。

「税理士いらず」の基本的な使い方です。

  • 基本的な税務情報と期首残高を入力する(初回使用時のみ)。
    基本的な税務情報として、会社の名前や住所などを入力します。
    期首残高(前期の期末残高)を入力します。
    「税理士いらず」の使用開始時に一度だけやれば、翌期からは自動的に繰り越されるので不要ですが、この部分は少し面倒くさい。
  • 元帳で仕訳を入力する。
    元帳アイコンをクリックすることで会計ソフトとして動作します。
  • 決算で確定申告書を出力させる。
    決算アイコンをクリックすると、確定申告書などの税務書類が出力されます。
    要するに元帳の内容が税務書類の必要箇所に転記されます。
  • OKなら印刷して税務署へ送付する。
    e-taxソフトやELTAXには対応していないので、印刷して郵送します。
    郵送が面倒なら出力した書類を見ながら手入力します(いずれ自動化されるでしょう)。

期首残高(前期の期末残高)の入力には、私は前期の確定申告書(決算報告書を含む)の控えを見ながら入力しました。
この書類は税理士に作って貰って、実際に税務申告した書類の控えです。

本格的に使う前に動作を確認する

「税理士いらず」が正しい申告書を出力するかどうかを確認したいのなら、確定申告書の控えと比較すれば一目瞭然です。
ただしそのためには2期前の申告書も使います。
前期の期首残高(2期前の期末残高)を入力してから「税理士いらず」で申告書を出力し、これを控えと比べることで確認します。
ここでは、この方式をご紹介します。

  • 前期の期首残高(2期前の期末残高)を入力。
  • 前期の決算報告書の勘定科目を入力。
  • 「税理士いらず」に確定申告書を出力させて、前期の確定申告書の控えと比較。
  • 同じ書類・金額が出力されればOK。
  • 確認出来たら繰越処理をして今期に使う。

会社の設立や1期目の決算は、税理士に頼む方が無難かもしれません。
2期目からは、この1期目の書類を参考にして「税理士いらず」で出力すれば簡単です。

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前期の期首残高の入力

初期入力方法の本家サイト
ここでは「税理士いらず」の出力結果を比較・確認したいので、前述のように前期の期首残高=2期前の期末残高を入力します。
2期前の確定申告書を用意したら、「税理士いらず」を起動してください。

この記事では会社名や金額などは見えないように処理してます。

初期入力:会社の基本情報

まず会社名や住所などの会社の基本情報を入力します。
以下の図のようにクリックしてください(左端の「初期利用」ボタンからも行けます)。

赤枠の中に必要事項を入力します。
続いて①②をクリックして、法人税の均等割額を入力。
③減価償却や棚卸の処理をソフトに任せる場合にチェックします(自分で手作業で入力するなら不要)。
④法人税の支払いを未払法人税(充当金)とするならチェックします(大部分の会社はこの方式)。
⑤消費税絡みの処理が必要ならチェックしてください。
⑥「設定」ボタンをクリックします。

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初期入力:貸借対照表の取り込み

2期前の損益計算書内の貸借対照表を見ながら、必要項目を入力します。
以下の図のようにクリックします。

初めに貸借対照表の左側の列の「資産の部」の数値を入力します。

「流動資産 合計」が貸借対照表の「流動資産 合計」と等しいことを確認します。
貸借対照表の「現金」部分が「現金・預金」となっている場合は、「預貯金等の内訳書」を参照して入力してください。

続いて固定資産を入力します。

私の会社の固定資産は以下の赤線の項目です。
「資産 合計」も確認してください。

続いて負債を入力してください(貸借対照表の右側上部)。

私の会社の負債は「未払法人税」の均等割だけです。
「会社の基本情報」で入力した均等割額と等しいことを確認します。

最後に貸借対照表の右側下部の「純資産の部」を入力します。

ここで大事なのは矢印の部分が「0」になること。
入力を間違えると、ここがゼロになりません(資産と負債に差がある)。
必ずゼロになるように数値を良く見直してください。

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初期入力:確定申告書の取り込み

次は確定申告書を見ながら入力します。本家サイト
2期前の確定申告書を用意してから、以下の図のようにクリックします。

確定申告書の綴りの右上を見てください。
「別表二」とか「別表五」とか「xxxの内訳書」と書いてあると思いますが、それと同じ書類にチェックを入れてください。
ここでチェックした書類が納税書類として確定申告時に出力されます(太字の書類は必須書類)。
別表四は不要です(確定申告書の出力時に自動的に作られます)。本家のサイト

書類の「色の付いた項目に入力」していきます(白色の項目には入力できません)。
例えばこちらは「別表二」ですが、同族会社かどうかを判定するための書類で「誰が何株持ってるか」と言う事を税務署に申告するための書類です。

申告済みの確定申告書の控えを見ながら、同じように入力していけばOKです。
①入力を終えたら「次へ」ボタンをクリックします。
②の部分に入力終了のチェックマークが付きます。
全ての項目にチェックマークが付けば完了です。

水色の項目に入力すると、白色の項目が黄色になる場合があります。色が付けば入力可能です。

初期入力:銀行登録

会社でお使いの銀行を登録します。
確定申告書の「預貯金等の内訳書」を見ながら、図のようにクリックします。

勘定科目名(預金種類)や銀行名、支店名、口座番号などを入力して①をクリックします。

初期入力:その他

減価償却率の設定

別表一六(二)の減価償却費は、「耐用年数」により償却率が決まります。
もし控えの申告書に耐用年数の記述が無い場合は、こちらの国税庁の償却率表から耐用年数を取得してください。

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前期の決算報告書の入力

会社の基本情報と前期の期首残高(2期前の期末残高)、税務情報を入力しました。
以上で初期入力は終わりです。
次に会計処理を行います。
前期(2期前ではないので注意)の申告書類の中の決算報告書を用意します。
この中の「販売費 及び一般管理費内訳書」の金額を元帳に入力します。
なお減価償却費は、「税理士いらず」が自動で元帳に書き込むので、ここでは入力しないでください(入力しても構いませんが「税理士いらず」が書き換えます)。

①②とクリックするか、直ぐ左の「元帳」アイコンをクリックします。
仕訳日記帳による伝票入力も可能ですが、私は簡単な「元帳」でのキー項目による入力(後述)を使ってます。伝票入力の方法(本家サイト)

元帳の使い方

下図のように①②③とクリックすると現金出納帳になります。
④をクリックして伝票に金額を入力し、全て入力し終えたら⑤をクリックします。

下図は上図④をクリックすると表示される伝票入力用のダイアログです。
①日付を決め
②キー項目(後述)を選び(④も自動入力される)
③金額を入力
⑤をクリックして確定
金額の入力後にエンターキーを3回打てば⑤まで行きます。

キー項目を作る

元帳への入力を便利にするためには「キー項目」を設定します。本家サイト
一般的なキー項目は予め設定されていますが、自分の会社用の項目を追加しておくと便利です。
「あれ?これは借方・貸方どっちだっけ?」等という事が無くなります。

①②とクリックしてキー項目の一覧表を表示させます。

続いて①②とクリックして「出納帳」を選択します。
③をクリックするとキー項目の設定ダイアログが開きます。
②で「預金通帳」を選択すれば預金用のキー項目(銀行利息や銀行振込など)を作れます。

下図の①~④は、ダイアログの項目と表示の関係です(同じ番号が対応する項目です)。
ここでは車検代金を現金で払った場合のキー項目を設定しています。
なお役員報酬では、キー項目①と④に役員名を入れておけば区別しやすくなります。
簿記絡みの入力で分からない場合は、Geminiに質問すれば簡単です。

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「税理士いらず」に確定申告書を出力させて比較・確認

ここまでで以下の処理が終わりました。

  • 前期の期首残高(2期前の期末残高)の入力。
  • 前期の決算報告書の勘定科目の入力。

それでは「税理士いらず」に確定申告書を出力させて、申告済みの確定申告書(控え)と比較してみましょう。
①~⑤をクリックすることで税務署へ提出するための確定申告書が纏めて作られます。

②は試算表の表示で、この時点では減価償却と未払法人税の仕訳は作られていない。
③で減価償却の仕訳が自動的に作られて元帳に記載される。
④で未払法人税の仕訳が作られて元帳に記載される。
この時点で⑤を押せるようになるので決算書を確認します。
確認が終わったら⑥でダイアログを閉じてください。

全ての書類が作られると、下図のようにアイコンに「赤マーク」がついてクリックできるようになります。
ここで「地方税」と「概況説明書」も確認・追記してください。
特に「概況説明書」は記入項目が多いので忘れずに。「概況説明書」の書き方(本家サイト)

念のため、もう一度出力された書類を確認します。
上図の「法人税・地方税・概況説明書」アイコンをクリックします。
「税理士いらず」の出力した書類と、税理士の作った前期の申告済み確定申告書(控え)をよく見比べてください。
足りない記述や合わない部分があれば、手作業で追記・修正します。

PDFファイルで見る場合は、「ファイル」メニュー内の「一括PDF出力」を使います。
全部の書類が一本のPDFファイルとして作られます。

次期への繰越を行う

前期の確定申告書(控え)と「税理士いらず」の出力した確定申告書が同じ内容になれば全て完了です。
後は今期への繰越処理をしてください。
これで今期の元帳入力が出来るようになります。

今期の入力

丁寧に一項目ずつ元帳に入力してもよし、月に一度でも良し。
面倒くさければ期末に纏めて入力も有りだと思います。

未払法人税や減価償却は入力不要です(会社の基本情報入力時に自動化してる場合)。
自動化してると手で入力しても削除されて書き直されます。

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その他の操作

文字の大きさを変える

表示文字の大きさを変更することができます。
「ファイル」 → 「環境設定」 → 「表示の設定」タブとクリックします。

前期の申告書類を見る

繰越処理後に前期の申告書類を見たくなる事があると思います。本家のサイト
「ファイル」 → 「データ選択」とクリックし

見たい期をWクリックします。

仕訳が分からない場合

取引を帳簿に記載するときに、仕訳で不明なことが事が出てきたらGoogleのGeminiに聞けば、非常に分かりやすく返事してくれます。Geminiサイト

例えばプロンプト(質問の入力欄のこと)に以下のように入力します。
・「役員報酬を現金で受け立った」ときの仕訳は?
・「銀行の利息が増えた」ときの仕訳は?
・「得意先から銀行に振り込みがあった」ときの仕訳は?
・「車検代を現金で払った」ときの仕訳は?
・「火災保険料を銀行から振り込んだ」ときの仕訳は?

「税理士いらず」の使い方なども質問できます。
・「税理士いらず」でのキー項目の設定方法は?
・「税理士いらず」で前期申告書の取込方法は?

分からないことは検索するよりも、Geminiに聞く方が早いようです。
有効に活用してください。

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