クボタ・ホンダなどの小型の耕運機を購入するかどうかで迷っている方に判断基準をご紹介します。
また耕運機の種類や特徴、家庭菜園向きのアタッチメントなどもご紹介しています。
耕運機のことを「管理機またはテーラー」と呼ぶ場合がありますが、現在ではどれも同じ製品です。
レンタル料金と購入価格の比較
レンタルするか購入するかの判断の基準としてのおおよその金額です。
”耕運機 レンタル ホームセンター”での検索結果
レンタル料金は、1日で4,000円ほど(1日からレンタル可能です)。
これで整備(メンテナンス)や保管などの手間が省けます。
一年に数回しか使わないのであれば、レンタルは十分に魅力的です。
送料が別途必要になる場合もあるのでご注意ください。
一方、中古の耕運機は1万円ほど。
新品は10万円前後。
バッテリー式で間に合うようなら、3万円以下でも購入できます。
使用頻度について
家庭菜園をしていれば春先には必ず使います。
また秋野菜も作るのであれば9月頃も。
その他、数種類の野菜を植え替えて畑を回転させる場合、植え替えの度に出番が来ます。
もし畑の草取りもするのであれば、この作業にも耕運機が使えます。
耕運にかかる時間・速度
筆者の耕運機はHONDA製で、エンジン出力4馬力、耕耘爪の幅は1mです。
普段使いの畑を深さ20cmほど迄、徹底的に土を細かくした場合の耕運速度を測りました。
耕耘爪の幅1mで10m耕すのに10分ほど、つまり「1分間に1㎡」を耕すことが出来ます。
耕運機が必要かどうかは畑の広さによると思いますので、これをご自分の畑に当てはめてみてください。
エンジン出力4馬力の耕運機で、おおよそ「1分間に1㎡」なので、1時間で60㎡(20坪)ほど。
エンジン出力が2馬力なら1時間で30㎡(10坪)。
エンジン出力が1馬力なら1時間で15㎡(5坪)。
ホンダのこまめ・ぷちな・サラダは、どれも1馬力です。
土の硬さにもよりますが、扱いに慣れてくれば、連続で1時間程度は十分に作業できます。
畑の広さ硬さと体力に応じて耕運機の購入を検討してみてください。
耕運機はオークションでも入手可能です。耕運機の別記事へジャンプ
中古で1万円程度から出品されているので、気軽に試すことが出来ます。
耕運機の種類
耕運機は爪の位置で三種類の区別があります。
車軸ローター式、爪が前に突いたフロントロータリー式、爪が後に付いたリヤロータリー式。
どのタイプを選ぶかは好みによります。
小回りが必要なら車軸ローター式のホンダのこまめまたはぷちな、じっくり作業したいのならフロントロータリー式のホンダのサラダ。
良く考えられた耕運機なので、どちらを購入しても問題ありません。
ただし耕運機を乗用車で運ぶ必要があるのならこまめ(重さ27kg)またはぷちな(重さ18kg)になります。
最も安全なのはフロントロータリーです(ホンダのサラダ)。
車輪の後ろにロータリーが付いている「リアロータリー」は、足を巻き込む可能性があることを肝に銘じて使用してください。
また車軸ローター式も、バックの時には要注意です。
耕運機の使い方
耕運機を購入すると、置き場所が必要になることを忘れないでください。
ブルーシートをかけて畑に置いておくことも出来ます(盗難に気を付けてください)。
筆者は30年ほど前に買ったホンダのF510L(車軸ローター、耕運幅1m、4馬力、1989年に発売)を使ってます。
これほど古くても全く快調です(草刈り機も刈払機もホンダ製品は全く快調)。
しかも未だに部品が手に入るというのも凄いことです(とは言っても全然故障しない)。
F510は家庭菜園用には大きすぎるかもしれません。
この耕運機は耕運用の爪が車軸と一体で「車軸ローター式」と呼ばれています。
長所はとても深くまで素早く耕せること、短所はアスファルトの上を走れないこと。
爪がそのまま地面に沈むので、深さ30cm近くまできっちりと耕せます。
その代わり爪がもろに地面に当たるので、固いところを走ると爪から来る凄い振動で、よほどゆっくり走らないと壊れそうです(爪をタイヤに交換できるが面倒くさい)。
バックは非常に危険です。
このタイプの耕運機は、バック中に爪が根に引っかかると、耕運機本体が前側に倒れ、回転している爪が近付いてきます。
バック使用時はクラッチレバーに指や手をかけておいてください。
巻き込まれれば大けがは必須です、バックはくれぐれも注意してください。
これを利用して葛などの根を切ることができます。
筆者の場合、車庫から庭を通って畑に行けるので、この車軸ローターが使えますが、畑までの距離が遠くコンクリート道路を通るような場合は、車軸ローターは厳しいです。
畑まで歩いて行ける程度の距離であれば、車軸ローターに移動用のタイヤを付ける方法もあります。
こまめ紹介へジャンプ(ページ下に写真があります)。
こちらのヤンマーのページに耕運機の選び方があります。耕運機の使い方のYoutubeもあります。
耕すコツ
耕すときのコツで大事なのは最初から深く耕さない。
畑が固いときは、何度か同じ場所を往復して徐々に深く耕していきます。
最初から深く耕すと爪が深く沈み、前に進みにくくなってしまいます。
浅く何度か往復して耕す。
慣れると力は殆ど要りません。
スキーと同じで「上手くなると疲れないけど、下手なうちはやたら疲れる」。
特にハンドルを強く押さえないのがコツ。
筆者は輪作する代わりに畑を3年ほど放置(草を生やさせて放っておく)してるのですが、この放置畑を耕す場合は、高速2速で耕し始め、2回目からは高速3速(最高速度)にして耕してます。
変速ギヤは低速3段、高速3段、バックが1段(低速段は使った事がありません)。
クラッチが左右にあるので、曲がりたい方のクラッチレバーを握れば力を入れなくても軽く曲がります。
深さの調節はハンドルを下に押しつける力で調節します。
少し使えば直ぐ慣れます。
耕運速度ですが、1m幅(爪幅が1m)で10m耕すのに、去年使った畑なら10分位、3年放置畑で30分ほど。
筆者が家庭菜園で使う畑は300坪ほどの面積なので、耕運機ナシでは畑作業はできません(トラクターの購入も考えたことがあります)。
メンテナンス作業としては、春の使い始める前のオイル交換。
またクラッチが軽く動くように、クラッチワイヤーの中にCRC-556を吹き込んでます。
購入から20年後に一度オーバーホールをしてもらいました。
ホンダの耕運機はとても丈夫です。
ご近所の農家に、10年間オイル交換してないホンダ耕運機がありました。
それでも問題が出ないんだから凄い機械です。
培土パーツ
培土パーツは、耕しながら柔らかくなった土を横に寄せていくパーツ。
これを使うと「耕運しながら畝立て」が出来るのでかなり便利です。
培土パーツの後ろのタイヤは上下できます。
移動時はタイヤを下げ、耕耘するときは上げます。
「耕運機で耕運するのは楽チン、でもその後の畝立ては手作業で大変」・・・ですよね。
例えばジャガイモなら、凹んだところに種芋を置けば、この盛り上がった土を土寄せ用に使える。
キャベツや白菜なら、盛り上がった高い部分が苗を植えるための畝になります。
手抜き百姓作業にはなにかと便利なパーツで、シャベルや鍬を使うのが好きじゃないなら、是非使ってみてください。
培土パーツと耕運棒を付け替えるのが面倒なら、最初の耕運の時から培土パーツを付けて耕します。
もし凹みの無い平らな畝を作りたいのなら、培土パーツを持ち上げた状態で耕します。
あるいはバックで後に下がりながら耕します(バックは危険なのでよくよく注意してください)。
培土パーツを付けて耕した。
凹んだ部分を使う場合(ジャガイモ)。
鍬を使わなくてもここまで出来ます。
培土パーツを付けて耕した。
盛り上がった部分を使う場合。
表面をちょっとならすだけで、種蒔きも定植も可能。
真っ直ぐに耕すコツ
マルチや防虫網を張る場合は、真っ直ぐな畝が必要になります。
水糸を張っても良いですが、もっと簡単な方法があります。
耕し終えたら「一点を見つめて真っ直ぐ歩く」。
これで足跡を付けます。
この足跡に沿って培土パーツを付けた耕運機を進めれば真っ直ぐな畝になります。
更に慣れてくると足跡無しでも真っ直ぐな畝立てができるようになります。
コツは後を振り返りながら進む方向を調節する。
ただし畑が斜めに傾いている場合は曲がりやすいので、耕運機が水平になるように操作します。
小さめの耕運機
この頃欲しいと思うのは小型の耕運機です。
こちらはホンダの耕運機でFG201(耕運幅450mm)。
価格は7万円ほどですが、しっかりしたホンダの製品なので、畑の大きさによってはこの耕運機をメインにするのもアリだと思います。
この小さい耕運機でも重さは18kgあるので、結構深く耕せるはずです。
オークションで中古を入手する方法があります。
逆に新品を購入し、飽きたらオークションで売るのも悪くありません。
恐らく某国製でしょう。
価格は2.5万円ほどで、評判はなかなか良いようです。評価
連作時の耕し直しや草むしり代わりに使えると思います。
一度の充電で耕運できる面積は30㎡ほどのようです。
これを使えば間引き菜を収穫した後の狭い面積を次の播種前に耕し直すのに手頃そう。
今は鍬やシャベルでやってますが、畑までぶら下げて持って行き「鍬代わり」になるかもしれません。
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