金ゴマを栽培します。
日本のゴマの99.9%が輸入品で、国産はわずか0.1%(喜界島で栽培されている)。
こう言う貴重な物こそ家庭菜園で自作しましょう。
収穫後のごみ取りも簡単、一度に数年分を作れるので、試してみて下さい。
ゴマも自作するとおいしいですよ。
ゴマの育て方
その他の野菜の栽培方法はこちらです 野菜一覧表
ゴマは南方系の植物です。
必ず暖かくなってから栽培を始めてください。
家庭菜園では急ぐ必要はないので、じっくりとタイミングを待って始めます。
岩手県中部では5月下旬以降が無難です。気象庁気温グラフ
使用品種:金ゴマ(白ゴマや黒ゴマでも構いません)
播種時期:5~6月
連作障害:あり(2~3年)
好適土壌:pH6.0~6.5
畝高:標準
畝幅:100cm(3列植え)
発芽地温:20~25℃
栽培温度:25~40℃ ← 暑い夏でも大丈夫!
※岩手県中部に於ける、ここ10年ほどの実績に基づいています。
ここでは苗を作って栽培しています。
直播きも可能ですが、間引きと草取りの手間が凄いので、苗から作ることをお薦めします。
白ごまも黒ごまもおいしいですが、使い途の広い金ゴマを育てます。
畝幅100cmで5mの長さの畑に3列に植えると、我が家では3年分ほどのゴマが収穫できます。
暖かくなってから播種すれば、直播きでも発芽しますが、苗を作り定植する方が揃います。
苗作り
早めに作るのなら、5月の初め頃に苗作りを開始します。
地温30℃程度を維持すれば2日で発芽します。
地温が低いと揃わないので、加温するか暖かくなるのを待って下さい。
ここでは72穴のプラグトレイを使って種蒔きしています。
去年収穫した種を使う。
金胡麻と白胡麻が混じってますが、金胡麻だけを蒔きました。
自家採取した種は発芽率がとても良いものです(市販の種を使う場合は、多めに蒔いてください)。
5/19
各マスに3粒ほど蒔いてください。
地温30℃を維持します。
5/21
播種から2日目。
クローバーのような発芽の仕方。
小さくてなかなか可愛い。
胡麻は加温すると二日で綺麗に発芽します。
5/27
播種から8日目。
葉が小さいので小サイズのプラグトレイで間に合います。
ただし根はかなり伸びるので、プラグトレイの下に空間を空けてください(根を巻かせるため)。
6/3
播種から2週間経過。
間引いた苗(本葉が出てる)。
定植
播種から25日ほどしたら定植します。
定植作業は雨とタイミングを合わせてください。
肥料は定植時に化成肥料を入れるだけで十分です。
15~30cm間隔で定植します(間隔が狭いと倒れやすくなる)。
ゴマはとても良く活着します。 殆ど枯れることがありません。
追肥が必要になった場合は、完成前に肥効を切るようにしてください。
野菜類は肥料成分が残ると味が落ちます。野菜が不味い理由
追肥しなくても育ちますが、虫は駆除しないと丸坊主になり、大きい種が収穫できません。
8/10頃にアディオンなどを散布します。
6/14 播種から25日経過。
小サイズのプラグトレイ一杯に根を張ります。
定植するときに一緒に化成肥料を入れて下さい。
途中で苗を追加したのでかなりの量。
ほぼ100%の活着率。
育成
ゴマは成長が早いので草に負けません。
直播きではなく苗を定植すれば、草取りは不要です。
ただ巨大な芋虫(スズメガの幼虫)が付くので、8月に入ったら一度だけ薬を使ってます。
7/5 播種から45日(定植から20日)経過。
7/31 播種から二ヶ月半経過。
虫たちが一生懸命に受粉してくれます。
8/1 最初に咲いた花は種になってる。
防除
8月の半ば頃になると、スズメガの幼虫が出るので、防除してください。スズメガの詳細
ほっとくと丸坊主にされ、種が大きく育たなくなります。
スズメガの幼虫期間は半月から一ヶ月ほどなので、8月の始めにアディオンを散布します。心配なら8月の半ばにもう一度散布してください。
8/13 背の高さを越えました(先端を摘芯するのも有り)。
この頃迄に防除を行います。
9/9 大量の実が付いてます。
収穫とゴマ作り
葉の根元部分にサヤが付きます。
全体のサヤが茶色くなったら、幹を根元から切って収穫するのですが、全体的にはなかなか揃わないので、どこかで諦めて収穫を始めて下さい(あまり長く置いておくと、中のゴマがこぼれて勿体ない)。
気持ち早めに収穫して、家の中で袋に入れて乾かす方が良いようです。
収穫
ここでは10月上旬が収穫時期です。
畑にビニール袋か米袋を持っていきます。
ゴマの茎を切ったら逆さに袋に入れれば、サヤからこぼれ落ちたゴマが無駄になりません。
下の方のサヤが茶色くなった時点で収穫してしまう方法もあります。
この場合はしっかり時間をかけて乾燥させてください。
播種から4ヶ月経過。
そろそろ熟し始めてます。
ゴマは、このサヤの中に入ってます。
強く揺すると落ちてしまうので、収穫時は気を遣って下さい。
収穫したゴマは、逆さにして幹ごとビニール袋や米袋に入れて、南側の廊下などで乾燥させます。
乾いたら袋の外から叩いて、ゴマを袋の底に落とします。
ゴマとカスの分離
ビニール袋の底にたまったゴマとカスを分離します。
最後の細かいカスは風の力で分離してください。
風のある日に庭にブルーシートを敷き、その上にゴマをパラパラと振り落とすと葉や幹のカスなどが遠くに飛ばされて、ゴマはシートの手前側に残ります。
何度か繰り返せばゴマだけを選別できます。
扇風機やダンボール箱を利用して「唐箕」の様なものも作れます。
ゴマが分離できたら、念のためにゴマを陽に当てて良く乾かします。
途中で何回か掻き混ぜて満遍なく干してください(もし虫が居れば逃げ出します)。
カラカラに乾いたらビンやジップロックに乾燥剤とともに入れて保存してください。
まとめ
収穫したゴマは、使う直前にフライパンで弱火で煎ってください。
弾け始めたら出来たて煎りゴマの完成です。
ゴマ栽培は、時期さえ間違えなければとても簡単。
収穫後のゴマ集めやカスの分離も大した手間ではありません。
それでもこうして自作したゴマは、味も香りも市販品とは全く異なり、香りが強くて濃厚で、食べたときに口の中に広がる香りが全然違います。
この貴重な国産ゴマをぜひ自作して頂きたいと思います。
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