ふかし栽培ではない、本物のタラの芽を育てましょう。天然タラの木の見分け方
挿し木や苗木を使うのではなく「根」を使います。
多数の写真でタラの木栽培20年のノーハウをお伝えします。
天ぷらや味噌汁が最高のタラの芽。
タラの芽は春先にワラビに続いて出てきます。
自宅で野生化して収穫すれば、採り立てでアクのない「でっかい」タラの芽を味わえます。
タラの木は根を使って簡単に増やせます。
天ぷらと味噌汁で
タラの芽と言えば天ぷら。
それも巨大な頂芽(天辺)だけを頂きます。頂芽優勢
二つも食べれば十分満足できます。
袴(ハカマ)は外してから揚げます。
天ぷらを少し残しておいて、翌日の味噌汁に入れてみてください。
または朝食前に採りに行き、この採り立てを味噌汁にするのもとてもおいしい。
味噌汁の色がアクで少し黒くなりますが、新鮮なので苦みは無く、タラの芽の食べ方として最高。
新鮮なタラの芽ならアクが苦くありません。是非採れたてを調理してください。
小さい芽が沢山パックに入った物を市販してますが、これはフカシ栽培(促成栽培)であり、野生のタラの芽とは全く異なります(頂芽ではなく脇芽をジベレリン処理してハウスで育てたもの)。
香りも味もしないので、手を出さない方が良いでしょう。
タラの芽の収穫
その他の野菜の栽培方法はこちらです 野菜一覧表
タラの芽は一度出れば毎年収穫できます。
おおよそ10年ほどは同じ場所で続けて収穫できます。
10年ほどすると自然と消えますが、数年毎に勝手に離れた場所に生えてきます。
つまり「一度植えれば野生化して永久にタラの芽が食べられる」。
山菜は収穫してから時間が経つとアクが出ます。
「収穫 → 即座に調理」が原則なので、ぜひ自宅で育ててください。
毎年、春先に握りこぶし大の頂芽が大量に収穫できるようになります。
収穫は一ヶ月ほど続きます。
増やす
大きなタラの芽を食べたいのなら栽培して増やしてしまいましょう!天然タラの木の見分け方
とても簡単に増やせます。
葉っぱが大きいので雑草避けにも有効です。
またタラの木が生えると笹が消えます・・・不思議。
植え場所は
日当たりの良い、北側に風よけが有る場所を選びます。
山に入って自生してるタラの木の生えてる場所を見ると、北側に風よけの雑木が有ることが確認出来ます。
一度植えて根付いてしまえば、あとはほっといてもどんどん増えます。
増えすぎても グリホサート系の除草剤で簡単に消すことができます。
また木が柔らかいので、刈払機でも簡単に伐採できます。
野生の芽は結構な値段です。
こんな雰囲気の場所で増やします(写真の右側が北)。
北側に雑木が有り風よけになってる。
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根で増やす
タラの木は根で増やします。
3月か4月、雪が消えて寒さがゆるんだ頃に根を集めます。
暖かくなってからだと発根しにくいので、少し涼しいうちに作業します。
必ず野生種の「とげとげのある」タラの木の根を入手して下さい。
市販の苗の中には人工的に変異された品種があり、これらは頂芽が小さく味が落ちます。
タラの木の根は四方八方に長く広がっているので、一本のタラの木から大量に採れます。
鍬(先が3つとか4つに別れたタイプ)を使うと作業が捗ります。
鍬をタラの木の根本に叩き込んで「ぐっきっ」っと起こすと何本も根が出てくるので、このうちの一本を手で引っ張って土を起こしていくと、2mから3mの長さがあります。
この根が一本のタラの木から5~6本は採れるので、一本のタラの木だけで十分な量の根が採れます。
肥料はやらないで下さい。
野生化させるので余計な事はしない。
肥料が入ると根が広がらずヒョロヒョロした木になってしまいます。
一本のタラの木から、こんなに沢山採れる。
タラの木一本分で十分。
植え付け
採取した根を鋏で10cmほどの長さに切り分け、5cmほどの深さに水平に植えます。
植えると二ヶ月ほどで芽が出てきます。
根を植えた位置には目印をしておく。
こうしておかないと翌年の草刈りで間違って刈ってしまいます。
二ヶ月後。
芽が出て来る。
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一年後
特に何もせずに放置。
自然に成長して大きくなります。
翌年の春にはこんなのが出る。
芽も出るけど未だ食べちゃダメ(^^;
そのまま放置して秋になった。
二倍ぐらいになります。
2年目以降
更に一年経過して二年後の秋。
このサイズになります。
まだ収穫しません。
更に一年経過。
根の植え付けから3年後の春。
このサイズは未だ採らない。
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収穫
4~5年すると最高の美味しさのタラの芽を収穫できます。
タラの芽は「大きいほどうまい」んです。
芽の真ん中の部分がトロ~っとしてて、味も香りも素晴らしい。
植物には“頂芽優勢”という習性があります(先端部分に栄養や糖分を集中して送り込む)。
最頂部のタラの芽は、軟らかい、甘味がある、栄養たっぷり。
先端の芽は必ずゲットしましょう!
高さが3mを超えるので、採るのにも工夫が要ります。
5年物。
ここまで太いと最高の味。
ほれぼれします。
出始めると一ヶ月ぐらいは毎日採れます。
収穫は桜の花が咲くのと同時。
同じ頃に深山艶麗草も咲きます。
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決断の秋
決断の秋・・・そうなんです。
秋になると葉っぱが黄色くなって落葉します。
ここからどうするか・・・ やり方は二つ。
一つは切断。
落葉したら根元から切ってしまう。
こうすると来年には根本から3本ぐらいの幹が出てきます。
つまり一本のタラの木から小さい芽が3つ採れる。
「おお!こりゃいっぱい食えて良い話だ」・・・これは悲しき都会人の習性(^^;
切断すると小さい芽が沢山出る。
庄屋様は絶対に切りません。
剪定や切断など一切不要 放任。
ここで切らずにほっとくと、3年後ぐらいには幹の直径が3cm、5年後には5cm位にはなる。
高さはそれこそ3~4mにもなる。
その辺の山のタラの木は、ここまで育つ前に芽を採られて枯れちゃう。
直径5cmクラスのタラの木だけは自分で作った醍醐味であります。
ここまででかいのは売ってません。
自分で作るしかない。
でかいほどうまい!
でかさが正義。
食う
このぶっとい幹に付いた天辺のタラの芽 頂芽 を食う!
この頂芽を食ったら、その辺のタラの芽はもう食えないって。ホント。
タラの芽は、ある大きさを越えると内部がとろとろ~っとなってきます。
このデカ芽を天ぷらにしてごらんなさいよ、あ~た!噛んだときに口の中に樹液が溶けだしてきて濃い香りと味のコラボの素晴らしさ。
タラの芽は、大きさによって味が全く異なります。
この貴重なタラの芽を毎年安定して食べるためには、芽を採るときに脚立を使うなどの気遣いは当然。
そして頂芽以外の芽は収穫せずに開かせて、来年の栄養を吸収させてやります。
毎年変わらず美味しいタラの芽を食べるためには繊細な気遣いが必要です!
それと収穫の時、トゲが凄いから軍手じゃ役に立たない、革手袋を忘れずに。
食べるのは栄養満点の「頂芽」だけ。
頂芽優勢と言われる通り、一番栄養があり味が良いのが頂芽です。
脇芽はそのまま生やさせて、木に来年の栄養を蓄えさせてやります。
頂芽
これを食べます。
間違いなく「山菜の王様」。
肥料は禁止
肥料はやりません。禁止です。
肥料が入ると根が大きく広がらず、細くて弱々しい木になってしまいます。
なるべく背が低くて太い「野生のタラの木」を育て、大きい頂芽を作らせる。
品種としては、見た目重視のトゲ無し品、促成栽培用など色々とあります。
新駒などは小さい脇芽が大量に採れます。
この手の「スーパー向けの味ナシ品種」は育てる意味ナシ。
野生種のタラの ど~んとでっかい頂芽 を食べる!
・・・これです。
タラの花(旧ページより)
※2003年「タラの木の栽培メモ」より
タラの花のツボミ。
「花が咲くと枯れる」と言うけど、これはデマで花が咲いても枯れません。
ただ花の咲いた木の先端は春になっても黒いままで、芽は少し下側から出ます。
ネットには自分で試さずに人の記事を丸写しにした情報が多いです。
デマ情報も多いので気を付けて下さい。
6年目のタラの木。
これは3年目。
全体。
大分咲いてきた。
透明の蝶々が居る。
天然タラの木の見分け方
8月中旬にすっかり開花します。
高さ3mほどで天辺に白い花が咲きます。
この頃に山に行けば、天然のタラの木を簡単に見付けることができます。
平均的な高さは3~4mぐらいですが、中にはもっと大きくなるのも。
タラの木の種
2003/9/5
花が枯れました。
「高枝切りばさみ」で花を採集。
もう既に実を付けていました(実が落ち始めている花も)。
低い木と高い木の花部分を採ってきました。
これを家の中の日当たりの良い場所に置いておけば種が落ち観察できるでしょう。
花の塊。
一房のアップ。
先端が割れて種が出る。
小さい種。
左は爪楊枝の頭。
9/22
これから秋冬モードです。
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