失敗しない挿し木の方法や用土(ピートモス・鹿沼土)の使い方をご紹介します。
今回は数種類のノーザンハイブッシュ品種の挿し木を4月(桜の開花前)に行い、その後2年間の栽培の様子をご覧頂けます。
ブルーベリーの植え付け図
2003年からブルーベリーを栽培しています。
多品種を20年ほど育てて分かったことを発信しています。
挿し木の基本(発根すれば成功)
その他の野菜の栽培方法はこちらです 野菜一覧表
ブルーベリーは、桜の開花直前か夏が過ぎた頃に挿し木すれば成功率が上がります(この記事では4月末に作業しています)。
休眠枝挿しや緑枝挿しなどの手法がありますが、細かいことを気にしなくても簡単に発根します。
家庭では10本挿して5本も育てば十分でしょう。
この気構えで挿し木をすれば、難しい能書きも理屈もなにも要りません。
用土
挿し木に使う土はピートモスです。
または半分ほどの鹿沼土を混ぜても構いません(ピートモスが不足するなら混ぜても問題無い)。
ピートモスは必ず「無調整」のものを使います(園芸店などではpH調整済みのピートモスも置いてるので、気を付けて購入してください)。
ピートモスは事前に水を吸わせます。
バケツなどに乾いたピートモスを入れ、水をびしゃびしゃに入れて掻き混ぜます。
浮いてくるピートモスが無くなるまで混ぜたら、鉢ですくい取って下さい。
このピートモスはpH3.5とかなり低い。
4/22 穂木を集める
穂木(挿し穂)を集めます(ここでは4月の末に作業しています)。
穂木に使う枝は、太さ5mmほどの「去年の徒長枝」です(緑色の真っ直ぐな枝)。
注意するのは「さっさと作業する」こと。
穂木を採ったら切り口が乾かないようにさっさと作業して下さい(時間がかかるようなら水に漬ける)。
生け花と同じように扱えば良いでしょう。
4芽以上が残るように枝を切り分け、挿す方をカッターナイフで斜めにスパッと切り落とします。
なるべく芽の直ぐ下を切れば発根が良くなると言われてます。
2芽以上が土から上に出るように枝を切り分けます。
品種を間違えないように注意。
今回の挿し木に使った品種です。
ブリジッタ、オニール、サザンゼバブルー、ネルソン、パトリオット、ジャージー、ブルージェイ、グレートブルー、スパータン。
挿し木開始
今回は本数が多いのでプラグトレイを使ってます。
水を吸わせたピートモスをプラグトレイに流し込んで下さい。
ここに挿し穂を挿していきます(ピートモスは柔らかいので、事前に穴を空ける必要は無い)。
なるべく2芽が上に出るように挿してください。
経過観察
挿してしまえば後は放置。
一年半ほどで定植できるまでに育ちます。
5/2
10日経過。
芽が動き始めてるので良くないタイミング。
これでも半分は発根しました。
5/8
木陰に移動。
6/29
2ヶ月経過。
半分ほど発根。
7/20
3ヶ月経過。
今から鉢替えします。
鉢替え。
既に発根してます。
品種を間違えないように。
鉢替え完了。
油粕とマグァンプを追加。
この状態で近所に一部が嫁入りしました。
11/14
7ヶ月経過。
順調、これで冬越しします。
5/25(半年後)。
冬越ししました。
これで夏を迎えます。
定植
8/29
春から夏にかけて一挙に育ちました。
畑に移植して完了です・・・挿し木開始から16ヶ月(約一年半)。
苗が大きくなってくると水やりが大変です。
持ってる中では一番大きいスリット鉢に植えてましたが、毎日の水やりが大変なので定植してしまいました(ブルーベリーの水の吸い上げ量は凄く、一日で鉢が軽くなるほど水が無くなります)。
春先に作り、水を吸わせておいた植穴に4本を定植しました。
残りは知り合いのところに嫁入りの予定。
8/29
向こうサザンゼバブルー(中生)。
手前はジャージー(晩成)。
8/29
グレートブルー(中生)。
8/29
ブリジッタ(晩成)。
まとめ
この記事では4月の挿し木を紹介しました。
ブルーベリーはほぼ一年中挿し木できますが、桜の開花直前や夏過ぎに開始すれば成績が上がります。
気軽に挿し木で増やしてみて下さい。
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