雑草と共生する不耕起栽培のやり方|メリットとデメリット

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「家庭菜園で自分だけの新鮮な野菜を手に入れよう」と思ったら、まずは畑作りから。
家庭菜園なら野菜を「良い畑で育てる」ことができます。
野菜の栽培を始めた頃は実感しにくいのですが、良い畑を作ることが美味しい野菜に直結しています。

この記事で紹介してるのは「畑を耕さないことで草を増やす」方法です。
このやり方は機械化が難しく手間がかかります。
広い畑の場合は一部分だけに導入してください。

興味があるところを読む

草は畑の資材です

雑草管理に関する記事の一覧はこちらです。

悪い畑は、ガサガサしてる、色が黒くない、水を吸い込まないなど。
この手の畑(土)だと、肥料の効き目が悪い、野菜が病気になる、虫が付く、風が吹くと土煙が舞う。
こんな畑を草を使って良い畑に変えていきます。

草を畑に入れる

良い畑にするために草を畑に入れます。
畑に草を生やし、この草をそのまま畑に置いていく、または漉き込む。
これを数年繰り返すことで畑の土は良くなっていきます。

チェルノーゼムと言うウクライナ周辺の土地は地球で最高の畑と言われてます。
自然のサイクルで一年草が土に漉き込まれ、地球で一番の畑になりました。

数年して畑が良くなったら野菜を作ります。
が、これでは草を生やしてる間は野菜を作れません。
広い畑で草と野菜のローテーションが可能なら、この方法でも良いのですが一般的ではありません。
これの解決策として耕さない「不耕起栽培」があります。

不耕起栽培では、草を生やしたままで野菜を栽培します。
草を刈ったら畑にそのまま載せ、種を蒔く所だけ草を除けます。

色々な草を利用します。

畑の一角で数年間は不耕起を続けてみて下さい。
不耕起栽培は最初の数年間は不調が続くので、一挙に全部の畑に不耕起を取り入れると恐らく挫折してしまいます。

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不耕起栽培(良い畑を維持するために)

畑を耕すことのメリットは勿論ありますが、デメリットもあります。
ここでは畑を耕すことのデメリットを避けるために、畑を耕さないで野菜を作る「不耕起栽培」を紹介します。

「不耕起栽培」と聞いて「耕してはいけない」と誤解しないようにお願いします。
「なるべく多くの草を残す」のが目的であり、耕さないことはこれに付随したことでしかありません。

不耕起栽培のメリット

重労働が減る。

機械を使わずに手で耕すのは非常に大変です。
畝を立てるのも重労働。
不耕起では耕すことをしないので、機械そのものが不要です。

野菜がよく育つ。

一般的な認識では、耕して土を柔らかくして野菜を植えますが、実は耕さなくても土は軟らかくなります。
耕さないでいると土壌細菌が増え、また雑草の根が増えて(根穴構造)土を軟らかくします。
根穴構造は植物が必要な空気を多く含むので野菜がよく育ちます。
逆に耕してしまうと土壌細菌のネットワークが壊れ、また根穴構造も壊れてしまうので、野菜を作る前に再度耕す必要が出てきます。

病気や虫害が減る。

耕さないので土壌細菌のネットワークや虫の住処が残ります。
細菌のネットワークによりバランスがとれているので病菌が増えません。
また食物連鎖も壊れずに済むため、虫の数がある程度に自然淘汰され虫害が減ります。
病菌も虫もバランスが取れていると、極端な方向に偏らず、結果として病気や虫害が減ります。

不耕起栽培のデメリット

時間がかかる。

不耕起栽培では細菌や虫の生態が良いバランスになるまで数年かかりますが、その間は野菜がまともにできないことが多い(畑の一部だけを使って試験的に不耕起栽培を始めてみてください)。

作物が大きくならない。

これは不耕起栽培を始めたばかりでは仕方ないことです。
今まで耕していたので、土の中の細菌のネットワークができていません。また虫もバランスが壊れています。
これらは野菜にとってはストレスとなるため、野菜はすくすくと育つことができません。

病気が増える。

これも土の中の細菌のネットワークができていないことによるものです。
不耕起栽培では耕さないために、特に嫌気性の細菌が増える傾向があります。

虫に囓られる。

虫のバランスが壊れているせいで、食物連鎖の構造ができるまで続きます。

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耕すことの意味

不耕起栽培ではない従来の慣行農法では畑を耕します。
そもそも何のために畑を耕すのか?
耕すと何が良くて何が悪いのか?
耕すことのメリットとデメリットを考えてみます。

耕すことのメリット

機械化に向いている。

トラクターや耕運機を使った機械化農業に向いてます。
一度耕してしまえば、畝立て、土寄せ、種蒔き、肥料の散布や収穫なども機械化が可能。

草を一挙に退ける。

トラクターや耕運機を使うと雑草を一挙に片付けることができ、これはかなりスッキリします。

整形しやすくなる。

畝立てしやすいように土を軟らかくする。
機械だと畝立ても同時にできたりします。

堆肥を混ぜ込みやすい。

堆肥は表面ではなく土の深部にまで入れる必要がある。
機械だと耕しながら均等に土に入れることが可能です。

土の中に空気を混ぜ込む。

土をふかふかにする。
土の中に空気を入れることで有機物が分解されて野菜の肥料になる。
また植物の根は呼吸してるので空気が必要。
水はけも良くなります。

耕すことのデメリット

土の構造が壊れる。

根穴構造(植物が枯れた後は根の形に空洞が残る)が破壊される。
土の中の細かいトンネル構造が壊れるので、時間と共に土が硬くなります。
耕すことの最大のデメリット。

地中生物のネットワーが破壊される。

微生物の住処が壊されたり、細菌の菌糸が切れたりします。
地中生物はお互いの距離や好悪により棲み分けているので、それらが破壊される。

有機物が分解されて出て行くので土が痩せる。

メリットでもありデメリットでもあります。
耕すことで土中に空気が入り有機物が分解されて野菜に使われるので、土の中の栄養が減る。
逆に雑草を敷き込めば有機物が増えて土が良くなります。

雑草の種が表面に出るので草が一斉に生える。

雑草は競争で先に大きくなろうとする。
当然、野菜とも競争することになります。

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まとめ

自然界では、色々な植物(雑草や野菜)が生えている多様な状態は正しい姿です。
ただし雑草と野菜が同じ場所に生えてる畑は機械化できません。
刈払機程度は使えますが、他の作業は大部分が手作業になります。
これこそが不耕起栽培の最大のネック。

自然の姿に則った不耕起栽培では、スッキリした畑にせず、雑草も野菜も細菌も虫も混ざった混沌としたカオスな畑を目指します。
確かに手間がかかるので、畑の一部だけで始めて見るのはいかがでしょう。
野菜を作りながら畑を育てていく・・・長い年月の積み重ねが良い畑を作ります。
ブログと同じですね。

雑草だけではリンが不足するので牛糞堆肥や米糠、バッドグアノなどで補えば万全です。
バランスを崩さない程度に化成肥料を使っても問題ありません。

目的は良い畑にして「おいしい野菜を得る」ことです。
不耕起栽培そのものが目的ではありません。

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