相模半白キュウリは特徴の有る美味しいキュウリです。
キュウリ臭い、固い、皮が柔らかい、ポリンポリン、しかも苦みもある。
市販の皮の分厚いキュウリとは一線を画す味で、サラダや漬物に向いてます。
半白きゅうりの味
江戸時代よりも前に日本に渡来したキュウリと言われてます。
なんといってもキュウリの香りが強く、皮が柔らかい、しかも少し苦い。
もう昔ながらの「元祖キュウリ」。
キュウリと枝豆は品種による味の差が大きい野菜です。
生で食べるのが一番(漬物や酢のものにも向いてます)。
脂っこい肉のツマにボリボリと囓る。
緑色の濃い部分は苦みがあるので、例によって板ずりしてどうぞ(まな板に塩を振ってゴロゴロする)。
板ずりではなく、緑色した方を先から1cm位で切って、切り口同士をこすり合わせて苦みを抜くのが本格派。
で、味噌を付けて囓れば100点!
本物のキュウリの味を覚えてるかい?
江戸に住んでた頃は、お子様キュウリばかり食べてたで御座る。
昔のキュウリを食べさせてあげるよ。
栽培
その他の野菜の栽培方法はこちらです 野菜一覧表
- 品種:相模半白キュウリ
- ウリ科(ズッキーニ・スイカ・ゴーヤなど)
- 連作障害あり(2~3年)
- 播種時期は5~6月
暖かくなってから開始する方が簡単です - 発芽地温は25~30℃
- 生育温度は15~25℃
- pH5.5~6.5
苦土石灰が必要 - 株間は50cm
ネットに這わせます - その他の注意点
水切れに弱いので定植直後は要注意
収穫が遅れないように早採りを心がける
播種から収穫開始まで2ヶ月
このキュウリはF1種じゃないので病気に弱い。
理想白菜なども同じですが、伝統野菜はしっかりローテーションした畑(休ませた新鮮な畑)を使います。
伝統野菜は、ちょっと弱いというか神経質なので、それなりに気を遣ってやって下さい。
キュウリ栽培に慣れてないなら、簡単なF1種で練習して下さい。
おいしいものは手間がかかります。
手間がかかりおいしくても、高く売れるわけじゃないので誰も作りません。
おいしい野菜を食べたいなら、自作以外に方法はありません。
このキュウリは売ってないので御座るか?
おいしい野菜は手間がかかるから売ってないよ。
自分で作るしかないんだ。
苗作り
生育適温が地温で20℃(気温では25℃ほど)と高温好きです。
岩手中部では5月中旬以降に苗作りを開始します(発芽適温は25~30℃)。
4月中に苗作りを始めると、完成した苗を定植しても育たない結果になるので、少し遅く始めてください。
なお5月中旬を過ぎれば直播きでの栽培も可能です。
種は自家採取したもの、または市販の種を使ってください。
5/4
30℃に加温して3日で発芽。
「う~ん」と言う声が聞こえそう。
5/13
未だ小さいけど鉢上げ。
定植
きゅうりは土のpH範囲が広いので、少し酸性でも問題ありませんが、基本は弱酸性です。
杉の木の下や水の抜けやすい畑はpHが低目になるので、苦土石灰をしっかり使って下さい。
使う畑のpHを把握しておくと間違いがありません。
マルチ(草マルチ)はかなり有効です。
キュウリは根張りが浅いので、マルチすることで根を保護することができます。
苗間は最低でも50cmは必要です(キュウリは根を浅く広く張る)。
立派な苗になりました。
定植(畑に植えること)。
育成
株元から30cmは葉っぱだけにします(脇芽・花・実を削除)。
摘芯などはしなくてもこれだけで十分な収穫があります。
また追肥なしでも育ちます。
支柱に沿わせずにヒモでぶら下げる「つる下ろし栽培」はこちら
収穫量を増やすために無理しないようにして下さい。
無理をすると野菜の味が落ちます。
もし沢山収穫したいのなら、無理をするのではなくて株数を増やします。
根元から30cm以下は葉っぱだけのスッピンにして下さい。
キュウリ栽培で注意するのはこれだけです。
6/20
花が咲いてます。
7/1
明日は収穫。
摘芯はしてもしなくても十分に採れます。難しい事はしなくても構いません。
このサイズを収穫。
つる下ろし栽培
家庭菜園では「つる下ろし栽培」をお薦めします。
この方式だと親ヅルを摘心しないので、少しずつ長い期間に亘って収穫が続きます。
しかもネットも張らないし・・・ズボラ栽培(^^;
- 定植したら紐を茎に絡めておき、どんどん上に伸ばす。
根元から50cmほどの範囲は葉だけにします(脇芽や花芽は全て削除)。 - 上の方の脇芽(小ヅル)は、目立つほど大きくなった場合は摘芯。
- キュウリを収穫するときに、下の方の変色した葉っぱを削除する。
なお収穫時に少し追肥すれば沢山実がなります。 - 手が届かないほどの高さになったら、下にズルズルッと下ろし、茎止めクリップでとめる。
この方法だと先端をとめないので、少しずつずっと収穫が続きます。
家庭菜園では一挙に収穫しても困るので、この育て方をお薦めします。
上まで届いたら引き下ろし、くき止めクリップでとめる。
このクリップは根元が狭くなってるので、糸のような細い物を挟めます。
収穫と採種
実を大きくすると株が疲れるので早めに収穫してください。
夏本番前に一挙に収穫出来るので、とても食べきれず、塩漬けしてカリカリキュウリにしています。
梅酢や紫蘇の葉、ナスなどを混ぜて「自作キュウリのQちゃん」がうまい。
↓毎日このぐらい採れる。
採種
種取り用のキュウリもあります。
第一弾のキュウリの下の方の実を残しておきました。
7/19
採種用。
第一弾と第二弾の終わりが近づいてきました。
最後に作った第三弾が間もなく開花のはず ← 8/26第三段のキュウリの収穫が終わりに近づいた。
ちなみに小さいのが10月まで収穫できることもあります。
採種を続けていると、段々その土地(畑)に合わせて進化すると言われてます。
どの野菜でも自家採取した種は発芽率がほぼ100%です。
種もとるで御座るか?
うん、でも面倒なら毎年買ってもいいんだ。
このサイズでこんな色で採ります。
包丁で半分にしてお匙でガリガリ。
これを洗って干す。
廊下で陰干し。
赤い種は市販種。
総括
キュウリは一挙にできてしまうので、少数の苗を時間差で作るのが正解です。
家庭菜園では「少量生産を長く続ける」のが基本。
一挙に大量に採ると、家族の顰蹙を買います。
今年も良い野菜ライフをお送りください。
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