追肥と虫対策が全て。
追肥のタイミングさえ合わせれば、見事なキャベツが手に入ります。
きっちり外葉を育てて、見事なキャベツを収穫してください(冬越しも可能)。
この記事ではザウアークラウトの作り方もご紹介しています。
外葉が命:キャベツを巻かせるコツ
追肥する ← これだけで必ず巻きます。
苗を植えた後の「追肥」がチョー重要。
定植時に化成肥料を入れ、更に半月ごとに追肥。
巻き始めたら追肥は禁止(肥料が残ると味が悪くなる)。
キャベツは外葉が育てば、これでもう完成と同じです。
なお種蒔きは岩手中部では7月初旬まで。
遅れると寒くなるので、巻いても大きくなりません。
最近は気温が高いので、少し後ろにずらす方が良い年もあります。
外葉こそ命。
外葉が育てばキャベツは成功です。
キモは「外葉を素早く大きくする」。
キャベツや白菜は、外葉の大きさ(広さ)が球の大きさに直結します。
大きく開いた外葉に大量の光を受けて根が育ち、これで葉もしっかり成長して巻きます。
「外葉はソーラーパネル」だと思ってください。
キャベツの育て方
その他の野菜の栽培方法はこちらです 野菜一覧表
- 播種時期:3~7月初旬
- 使用品種:YR青空、みさき、四季穫、大玉、あじみどり
- 発芽時の地温:15~30℃
結構低温でも発芽します - 生育の気温:15~20℃
5~25℃の範囲で生育し、ー4℃まで耐えられる - 土壌酸度:pH6.5~7
- 畝高:やや高く
- 株間:40cm以上
- 畝幅:60cm(網掛けする場合は100cm以上必要です)
- その他
日向で育てます。
定植は早めでも問題ありません。
連作障害があります(白菜と同じアブラナ科)。
※岩手県中部に於ける、ここ10年ほどの実績に基づいています。
キャベツはとても便利な野菜で、一年中(雪の下でも)いつでも畑にあるので、これさえあれば他の菜っ葉は無くても、なんとかなります。
夏場は野菜が色々とできてきますが、晩生系のキャベツは畑で長持ちするので、収穫期間を延ばせてとても扱いやすい(家庭菜園では「収穫期間が長い」ことはとても大事)。
「ただの菜っ葉」なので、ありふれてて面白くなさそうですが、常備野菜として是非作ってみて下さい。
市販品とは味が全く異なります。
※種や資材の購入用のリンクは、ページ下部にあります。
キャベツを何種類か作ってますが、メインは(中)晩成系です。
3月から5月頃までは早生系の、YR青空、みさきが作れます(市販苗があれば使ってください)。
4月から7月頃までは晩成系の四季穫や大玉。
晩生の苗は売っていないので、こちらは苗作りが必要です。
なお早生系は夏に作ると美味しくないので、6月以降は作らない方が良いでしょう。
畑の準備
ここ(岩手県中部)では9月まで蝶々が居るので、網掛けは必須です。
防虫網
と
ダンポールのセットを使ってます。
キャベツと白菜は同じ科なので、連作障害に気を付けて下さい。
またキャベツは白菜よりも少し畝を高くしてやります。
畝立て時に牛糞堆肥と苦土石灰を入れます(化成肥料は定植時に入れる)。
早生用の中網セット。
晩生用の大網セット。
市販苗を使う
苗を市販してるなら買ってください。
種からの苗作りも面白いですが、ヒョロ苗にしないように気を遣うので、売ってるなら買う方が簡単です。
苗を買う場合、なるべく専門店で買いましょう。
毎年買ってると分かってくるんですが、やはり専門店の苗は優秀です。
「苗半作」と言う言葉がありますが、半作どころか8割ぐらいは苗の出来で決まってしまう気がします。
苗作り
苗は必ず余分に作り、定植時に選別するようにして下さい。
キャベツは特に苗の善し悪しが響きます。
市販苗が無い場合(晩生キャベツ苗はまず見かけない)は自作します。
苗の自作で大事なのは・・・
1.軽い培養土を使う
2.夜は温めない
この2点さえ気を付ければ良い苗になります。
1.軽い培養土を使う
肥料の入っていない軽い培養土を使います。
安物の重い培養土でも発芽までは同じように行くのですが、その後の成長に差が出ます。
これは実験すれば直ぐ分かります(苗作りは一ヶ月ほどなので結果も直ぐ見える)。
軽い培養土は空気を多く含み「根の生長には空気が必要」と実感されると思います。
この軽い培養土ですが、さらっとしててなかなか水を吸わないので、あれこれ工夫します。
ただし水で練ったりして重くしないように注意してください。
例えば・・・
・培養土をポットに入れたら
・ここで水をゆっくり撒いて吸水させ
・それから種を載せて
・上から培養土を薄く載せ
・水はもう撒かないなど
水をジャージャーかけると種が流れることがあるので注意して下さい。
昼夜地温25℃を保てば3日で発芽します。
春先は温度が低いので、筆者は発泡スチロールの箱に小さいアンカを入れて保温してます。
箱の中のポットの地温は、調理用の温度計を箱の上から挿して見てます。
管理されたハウスやビニール温室なら良いのですが、筆者のように箱で作っている場合は、発芽したら間髪を入れず外に出して陽に当てて下さい(3日目には確実に発芽するので、芽が出ていなくても外に出して構いません)。
2.夜は温めない
発芽したら昼間は陽に当て(地温20℃が目標)、夜は放置します。
凍るほど気温が下がる場合は屋内に入れますが、このとき暖めてはだめです。夜間に地温が高いとどうしてもヒョロっとなります。
水分ですが、ポットを持ってみて軽いようならやって下さい。
少しぐらい水分が多くても、夜の地温を上げなければヒョロ苗にはなりません。
肥料は筆者は液肥を使っています。
窒素量を加減したいので無肥料の種蒔き用の培養土を使い 液肥(6-10-5)で育ててます。
本葉が2~3枚になったら間引いて一本にし、4~5枚になったら定植。
種蒔きから一ヶ月ほどで苗が完成しますが、季節や天候によって変わるので、葉っぱの枚数で判断して下さい。
間引くのが可哀想で二本に分けたりすると、やはり苗の成績が下がります。
半月でこのぐらい育ちます。
定植(畑に植え付ける)
定植時には、必ず良い苗を選別するようにして下さい。
キャベツは特に苗の善し悪しが響きます。
植え場所を少し掘って穴を空け、中に水を入れ、土とグチャグチャしてから植え付けます。
キャベツの苗は少しぐらい深植えしても枯れたりしないですから、あまり神経質にならないでください。
なお雨水が溜まりやすいように、苗の周りの土を少しリング上に高くしてやれば最高です。
植え付けたら化成肥料を苗の周りに埋め込みます。
網掛けしていても虫が居るようなら オルトランやネキリエースなどを同時に使ってください。
オルトランは「効果が出るまでに一週間、効き目は一ヶ月」なので、定植時に一度だけ使います(収穫まで数ヶ月かかりますが、定植して一ヶ月もすれば網だけでも虫に負けません)。
定植から一ヶ月後。
もう虫に負けません。
網を支柱に留めるのにクリップを使うと便利です(ただしステンレス製でないと錆びる)。
追肥
定植したら、最初の一週間ほどは水をやります(雨が降れば不要)。
その後、半月ごとに追肥して下さい。
最初に外葉を一挙に大きくしたいので追肥を忘れずに。
外葉の大きさで完成時のキャベツのサイズが決まります。
ただし真ん中の葉が立ち上がってきて巻き始めたら追肥は禁止。
肥料がいつまでも効いてると、不味いキャベツになります(芯の部分が苦かったり匂いがしたり、また腐りやすい)。
おいしいキャベツは「水みたいにさっぱり」しています。
収穫時に畑に捨ててきた外葉が、ずっと残ってるようなら肥料が切れて良くできている証。
もし腐るようなら肥料の切り方が遅かったと判断してください。
有機肥料は使わない方が無難です。
「有機」と言っても何が有機なのか、何が入っているのか、どの程度混じっているのか分からないので、肥効の長さを判断できません。
化成肥料であれば自分の畑での肥効はほぼ同じなので、肥効の制御が簡単になります。
このぐらいで最後の追肥とする。
このサイズでの追肥は禁止。
大きくしようとして肥料を遅くまで与えると、繊維が太くなり味が落ちます。また腐りやすい。
残留窒素の問題も出てくるので、野菜に肥料成分が残らないようにしてください。
自家栽培では、大きさよりも味です!
収穫
球が固くなったら収穫します。
早めに収穫しても問題ありません・・・勿体ないですが。
ずっと畑に置いておくと、早生品種はそのうちに爆発します(早生は畑に長く置けません)。
でも自分で食べるのだから問題無いですよね。爆発しても味に変わりはないし。
晩生のキャベツなら、畑に植えた状態で外葉を外してやると、かなり長く畑に置けます。
7月に種蒔きした晩生なら、そのままほっとけば、雪の下で年越しします。
定植時の一度だけの農薬使用だと、少し虫に食われます。
ザウアークラウトを作る
別記事にしました。
こちらからどうぞ。
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